norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

たけのこ

昭和の終わりごろ、経済学専攻のS先生と知り合い、親しくさせていただいたことがある。 俊英の若手研究者で、将来を嘱望されていたひとである。 ある日、家で本を読んでいると、母親が階下から大声で、 「よしあき!たいへんだよ」という。 何事かと降りてゆ…

メイづくし

研究室で英語文献ばかり読んでいる同期のUと話していたとき。 U「なあ、メイの起源って知ってるか?」 私「うん・・・?学部のとき、よく友達と言ってたよ。ローマの神さまの名前が起源だろ。ええっと、確かぁ・・・Maiusマイウスとかなんか・・・」 U「それ…

 狙い打ち

♬ ウララ ウララ ウラウラで・・・・ この世はわたしのためにある・・・ ・・・見ててご覧このわたし・・・そうなる値打ちがあるはずよ・・・・ 弓をきりきり心臓めがけ ぱっと 狙い撃ち・・・♪ (歌:山本リンダ 作詞:阿久悠 作曲:戸倉俊一) 研究室でのK…

妖艶

♬ これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛 だって淋しいものよ 泣けないなんて・・・ ・・・・・わたしは愛の水中花・・・♪ (「愛の水中花」作詞:五木寛之 作曲:小松原まさし) テレビの歌番組で松坂慶子が出演していた頃のある日、大学でOと話していた。 O…

あやめ

和歌の『昔に詠まれた名歌(これを本歌という)』をもとにして、新たな和歌を詠んで、本歌を連想させたうえで、ふくらみをもたせて詠うことを『本歌取り』というのだそうである。 昭和53年頃、通学途中の電車で、和歌について書いてある岩波新書を読んでい…

唐様

5月のある日、ラジオを聞きながら本を読んでいると、落語中継となった。 演目は分からないが、前振りで「『売り家と唐様で書く三代目』と申しまして、とかく三代目になると・・・・」とはじまり出した。 私は、うん・・・この川柳は、商家なども三代目とも…

百選

5月25日(旧暦6月20日)は、藤原定家によって編まれた『小倉百人一首』が完成した日だそうである。 ラジオタレントが解説している。 うん・・・日本人って100を選ぶのがすきだなぁ・・・と思っていた。 そのとき 『由良のとを 渡る舟人 かぢを絶え …

1年を20日で暮らす・・・

Yの部屋で相撲の話をしていた。 私「ところでさぁ、相撲って昔は場所が20日ほどしかなかったっていうこと、知ってる」 Y「そうなのか?」 私「ああ、江戸川柳で『1年を20日で暮らすよい男』ってのがあって、これが相撲取りを詠んだもんだってさ」 Y「ほ…

カッコウとホトトギス

学舎のロビーで、東洋法制史専攻のハチヤ君との話し。 東洋と名が付くだけに、普段の講義でも漢文知識が必要らしく、ときどき、知らないことを教えてくれる。 ハ「のりもさん、カッコウとホトトギスのちがいって知ってます?」 私「え?知らないよ。鳴き方が…

カッコウ

研究室で同期のK平と話している。 K平「いい季節になったなぁ。俺んちの近くじゃそろそろ、カッコウが鳴きだすころだなぁ・・・」 私「ああ、あれはいいよなぁ。俺は大学生の頃にサークルの春合宿で信州に行ったときに、聞いたことがあるよ。山里の澄んだ空…

戦国時代

天正3年(1575年)5月21日(新暦6月29日)は、織田信長・徳川家康連合軍と武田勝頼が戦った『長篠・設楽ケ原の戦い』がくりひろげられた、と言われている。 大学院の講義も回を重ね、忙しさまっさかりの5月末である。 友人たちと話しがはずんだ…

初夏

♬ さみだれの そそぐ山田に 早乙女が 裳裾ぬらして 玉苗植うる 夏は来ぬ ♪ (「夏は来ぬ」2番 作詞:佐々木信綱 作曲:小山作之助) 有名な唱歌の2番である。 初夏にふさわしい風景をうたったものであるが、われわれが大人になるころには、こうした景色はみ…

見物左衛門

5月のはじめころ、大学院の資料室でコピーしていると、二人の他学門専攻の院生が話しをしているのが聞こえてきた。 「先週はどうだった?祭りに行ってきたのか?」 「ああ、ひとがいっぱいでさぁ、まあ、いつものとおり『見物左衛門』のオンパレードだよ」 …

ばら その3

Yの部屋で、シューベルトの『野ばら』の話しになった。 Y「そういやぁ、中学生のとき、音楽でシューベルトの『野ばら』って、うたったよなぁ」 私「ああ、覚えてるよ。 ♬ わらべは見たり 野中のバラ 清らに咲ける その色 めでぇつ ♪ ってやつだろ(訳詞:近…

五月病

“すでに死んだと思われている時間のなかで 彼らの生はもっとも輝き 生涯忘れることのない 若き神話の日々を過ごしている” (NHK大河ドラマ『黄金の日々』第9話 交易事始のナレーション より) 昭和53年のNHK大河ドラマである。主人公助三をはじめとする3…

♬ うすむらさきの 藤棚の 下で歌ったアベマリア 澄んだ瞳が美しく なぜか心に残ってる きみはやさしい きみはやさしい 女学生~~ ♪ (「女学生」歌:安達明 作詞:北村公一 作曲:越部信義) 昭和39年ごろにはやった、安達明が歌う女学生である。 昭和5…

葵祭り

四月、祭りのころいとおかし。・・・・木々の木の葉、いとしげうはあらで、若やかに青みわたりたるに、霞も 霧も隔てぬ空のけしきの、なにとなくすずろにをかしきに・・・しのびたるほととぎすの・・・たどたどしきを・・・なに心地かせむ (枕草子第五段) …

バラ その2

5月昼休み、同期のUと学舎ロビーで話していた。 私「なあ、この時期の2年ほど前に、エリザベス女王が来日されたよな」 U「ああ、そうだったなぁ、もう2年になるのか」 私「あのときも思ったんだけど、イギリス王室の紋章ってバラだよな。あれってなんで…

バラ

♬ 五月この僕が帰る まばゆい五月・・・・ 忘れないで 忘れないで 時は流れすぎても むせび泣いて むせび泣いて 別れる君と僕のために~ ♪ (『五月のバラ』作詞:なかにし礼 作曲:川口真) 昭和52年のことである。 Yの部屋で話しているとき、尾崎紀世彦…

投げ荷

商法第四部の予習をしていると、共同海損という用語が出てきた。 初めて聞いたわけではないが、くわしいことを知らずに大学を終えていたわたしは、つぎの週に講義があるため、調べてみると。 古くからの制度で、ローマ法の一種とされる「ロード海法」にもそ…

さつき

大学坂道をFと下っていた。 回りにさつきがいっぱいに咲いている。 Fは大学同期で、彼は司法試験をめざして大学院にきていた。 わたしより1つ歳上である。 私「毎年のことながら、この時期は坂道がきれいだよなぁ」 F「ああ、この時期のこのながめはこの大…

たちばな

♬ 唄はちゃきり節 男は次郎長 花はたちばな 夏はたちばな 茶のかおり・・・・ (ちゃっきり ちゃっきり ちゃっきりな) 蛙(きゃぁろ)がなくんで 雨ずらぁよ~ ♪ (「ちゃっきり節」作詞:北原白秋 作曲:町田嘉章) 五月にテレビで懐かしの東映映画を放映し…

五月の薔薇

♬ 息をきらし胸をおさえて 久しぶりねと君が笑う・・・ ・・・・歩くほどに踊るほどに ふざけながら じらしながら 薔薇より美しい ああ君は 変わったぁ~~~ ♪ (「君は薔薇より美しい」作詞:門谷憲二 作曲:ミッキー吉野) テレビから化粧品のCMが流れる…

お茶

部屋でK平とお茶の話しの、つづきをしている。 私「おいしいお茶の順番があるのって知ってる?」 K平「何それ?」 私「うちの親戚のおじさんがさ、お茶は「新茶、玉露に、ひと淹れ茶」って言うんだよ」 K平「新茶がおいしいのはわかるけどさ。あとの二つは、…

立夏 その2

風流の初や奥の田植歌(芭蕉) 初夏になって、この俳句を思い出した。 どこで聞いたのであろうか。奥の細道のなかで、芭蕉たちが4月21日に白河を越えて、須賀川についたときに読んだものとされている。 この須賀川というのは、現在の福島県須賀川市あたり…

立夏

こいのぼりが、姿を消しはじめたころが立夏である。 二十四節気のひとつで、春分と夏至のちょうど中間である。 そんなややこしいことをいわなくても、まあ簡単には「さわやかな初夏がきたぁ」くらいなものであろう。 Yの家で話していて、 私「なぁ、今日は立…

端午の節句

5月5日は「端午の節句」である。 わたしには、こどものころから、お風呂に菖蒲を浮かせて入る『子供の日』というぐらいの知識しかなかった。 いつであったか、枕草子を読んでいると、『節に五月にしく月はなし』という段を見つけた。 節は五月にしく月はな…

つつじ

すっかり葉桜になったある日。 同期のFとのはなし。 あちこちでサツキが咲いていた。 私「なぁ。すっかり桜が散ったよなぁ。そろそろ赤い色のサツキが咲き始めたよ」 F「ちがうちがう。あれはツツジだよ。名札が付いてんだろ。サツキはもうちょっと後で咲く…

二代目

昭和53年5月、テレビ画面で端正な顔の力士が昇進の使いを受けて、神妙に両手をついて 「つつしんでお受けします。心技体のじゅうじつにつとめ、りっぱな横綱になるよう精 進いたします」 と応えていた。 二代目横綱「若ノ花」がうまれた瞬間であった。 若…

登龍門

♬ 屋根より高い 鯉のぼり 大きい真鯉はおとうさん ちいさい緋鯉はこどもたち おもしろそうに 泳いでる ♪ (童謡「こいのぼり」作詞:近藤宮子 作曲不詳) 大学内がやっと落ち着いて、あちこちでまたサツキがぽつぽつと咲き始める。 大学の坂道の右側がスタン…