♬ うすむらさきの 藤棚の
下で歌ったアベマリア
澄んだ瞳が美しく なぜか心に残ってる
きみはやさしい きみはやさしい 女学生~~ ♪
(「女学生」歌:安達明 作詞:北村公一 作曲:越部信義)
昭和39年ごろにはやった、安達明が歌う女学生である。
昭和53年5月のある日、わたしは、学舎のコピー機を使っていて、この歌をなにげなく口づさんでいると、そこへFがコピーを取りにやって来た。
F「ふるぅぃ~~~。なんと昔の歌を歌ってんだよ、のりもぉ」
私「うるせぇ。古いって言ってるってことは、お前だって知ってるわけで、古い人間じゃねえか。好みなんだから、いいだろ」
F「それだけじゃなくって、藤と女学生がマッチしないだよなぁ。藤の花ってさ、花の形がはでだから、乙女の可憐さのイメージはないんだぜ」
私「え、そうなのか?」
F「ああ、まず藤色って紫だろぅ?むらさきって、むかしから『高貴』の象徴じゃないか。源氏物語の『紫の上』とかさ。それに、垂れ下がって咲く藤の花って『妖艶』っていうイメージで、まさに『﨟長けた女性』っていうところじゃないか?」
私「うぅぅンンン・・・・。だけど、この曲の作詞家は、そこまで細かいことなんて考えてないだろぅ?5月の象徴の『藤の花』と『可憐な少女』を組み合わせて、さわやかな状況をあらわそうっていうんだろ?」
F「まぁ、そうだろうなぁ・・・」
しかし、わたしとFは、なんで歌の詩に、解釈が必要なんでしょう?
吹かれてはもつれてとけて藤の花(正岡子規)