すっかり葉桜になったある日。
同期のFとのはなし。
あちこちでサツキが咲いていた。
私「なぁ。すっかり桜が散ったよなぁ。そろそろ赤い色のサツキが咲き始めたよ」
F「ちがうちがう。あれはツツジだよ。名札が付いてんだろ。サツキはもうちょっと後で咲くんだよ」
私「え、ちがうのか?」
F「ちがうよ。よく似てるけどさ。桜のつぎはツツジ・サツキと続くんだよ」
私「へえぇぇ・・・どうちがうの?」
F「俺も良くは知らないんだけど、ツツジの花は大振りで豪華だけど、サツキは小ぶりで愛らしいんだってよ」
私「そうかぁ、知らなかった」
F「ツツジは万葉の昔から歌われてて、有名なものに
山越えて 遠津の浜の 岩つつじ 我が来るまでに 含(ふふ)みてあり待て
(巻7・118)
なんて、ロマンチックなものが多く残ってるんだぜ」
私「それ、いいなぁ。つぼみのままで待ってておくれっていってるんだろ」
F「ああ、まあ、咲き切ってしまうと華やかだけど、かわいくないもんな」
うん、うん、うん、うん、うん、うん、うん・・・・・・(何度いうんだよ)
かけはしやあぶないとこに山つゝし(正岡子規)