大学の研究室で仲間たちと話していた。
A「温かくなってきたなぁ・・・花見の時期もおわって、そろそろ新学期到来の新入生歓迎会がはじまるなぁ」
B「おう、ビールがちょっとうまくなる時期だもんなぁ」
C「そういやぁ、この頃はスーパードライっていうビールが売り出されて、大人気になってるだろ?」
B「おぉ、あれうまいらしいなぁ。切れがあるっていうぜ」
C「アルコール度数が5パーセントなんだってなぁ・・・もう、ビールの概念が変わるぜ。何か作り方がちがうのかなぁ」
A「作り方で思いだしたけどさ、南ドイツのバイエルンでは1516年の4月に
『ビール純粋令』っていう法が発令されて、
そのときから、ビールは大麦、ホップ、水のみを原料にして作られなきゃならない
ってことになったらしいぜ」
C「へぇぇぇ~~~。今もそうなのかなぁ?」
B「そんなわけ、ないだろ」
A「なんでも、バイエルンの王様がこの原材料三つだけで質のいいビールを作らせて、輸出できるようにしたかったのと、ビール造りに小麦を使わせないようにして、自分たちだけで小麦を使ったビール、
これをヴァイセンビール(Weissen Bier:白ビール)っていうんだけどさ、
これを作って儲けようとしたんだって。
だから、別名ヴァイセンビールを『貴族のビール』って呼ぶんだってよ」
C「なるほどな・・それでわ われわれは、
今夜『超辛口の麦酒』を飲みに行こうぜ!」
A・B「ばか・・・なんだよそれ・・・」
ゆく春や路地に酒売る店十戸(鈴木真砂女)