四月、祭りのころいとおかし。・・・・木々の木の葉、いとしげうはあらで、若やかに青みわたりたるに、霞も 霧も隔てぬ空のけしきの、なにとなくすずろにをかしきに・・・しのびたるほととぎすの・・・たどたどしきを・・・なに心地かせむ
(枕草子第五段)
枕草子第五段にいう『祭りのころ』というのは、葵祭りのことだそうである。
高校時代に習ったことである。
わたしには、みやびの京のお祭りであり、あまりなじみがない。
研究室で京都の大学に通っていたOと話をしていた。
私「なぁ、葵祭って行ったことあるの?」
O「ああ、大学に行き始めた頃は行ったかなぁ」
私「どうだった?」
O「どぉって、べつに・・・優雅なお祭りだなぁってくらいだなぁ。それよりも、うちの近くのお祭りの方が、わくわくして楽しいよ」
私「そんなもんかぁ?」
O「そうだよ。たださ、あのお祭りは歴史もあるし、それにふさわしい人数が必要なんだよ」
私「うん」
O「だから、学生にとっちゃあ、牛車行列の従者なんかのアルバイトが、結構なお足がでるから、バイト競争になることで有名なのさ」
私 「へえぇぇぇぇ~~~・・・・」
清少納言の『いとおかし』と、学生にいう『いとおかし』とはまったくちがいました。
大学も葵祭のきのふけふ(田中裕明)