norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

見物左衛門

 5月のはじめころ、大学院の資料室でコピーしていると、二人の他学門専攻の院生が話しをしているのが聞こえてきた。

 

「先週はどうだった?祭りに行ってきたのか?」

「ああ、ひとがいっぱいでさぁ、まあ、いつものとおり『見物左衛門』のオンパレードだよ」

と、葵祭のことを話していた。

 

うん・・・・?『けんぶつざえもん』?なんだろぅ・・・・?

その場はそれで終わった。

 

 家で辞書を引いてみると、ああ・・・これかぁということに。

「見物人を擬人化することば。多くは、いなかから都を見物に来たひとをいう」

そのほかに、狂言や歌舞伎の演目として演じられるものであるとのこと。

ふぅぅぅん・・・と思いながら、これを忘れてしまっていた。

 

 後年、テレビを見ていると、一人狂言が演じられていて、その演目が『見物左衛門』であった。

 

主人公の見物左衛門が5月5日の深草祭りに出かけて、流鏑馬や相撲などを見物する様子を演じている。

 

どこかでこの『ことば』聞いたなぁ・・・とテレビを見ていて、

やっと、他専攻院生がはなしているのを思い出した・・・

 

  ああ、あのときの院生ってこの狂言を知っていて話してたのかなぁ・・・

と感じたものである。

 

 わたしなら、ただの田舎者の見物人ですが・・・・

狂言の見物左衛門という意味なら、

あの会話はどういうことになるんだろぅ?・・・・・

 

      五月来ぬ心ひらけし五月来ぬ(星野立子