♬ 唄はちゃきり節 男は次郎長
花はたちばな 夏はたちばな 茶のかおり・・・・
(ちゃっきり ちゃっきり ちゃっきりな)
蛙(きゃぁろ)がなくんで 雨ずらぁよ~ ♪
(「ちゃっきり節」作詞:北原白秋 作曲:町田嘉章)
五月にテレビで懐かしの東映映画を放映していた。
次郎長シリーズである。
このときの挿入歌が「ちゃっきり節」で5月の状況を静岡のお茶畑シーンを交えて、民謡として流していた。
わたしは子供のころ、たちばなという花がわからなかった。
なんとなく、初夏に咲く花なのかなぁというぐらいである。
中学生になり、枕草子をならったとき、藤の花をほめるとともに、橘という、ミカンの木と同じ種類の木花が文学として初めて出てきた。
枕草子では「五月のついたちころほひ、橘の・・・花のいと白う咲きたるが、・・・おかし」(『木の花は』より)となっている。
お、『たちばな』って白い花かぁ・・・と初めて知ることに。
大学生のとき、自称詩人Mとの話し。
私「おい、橘の花って何色だか知ってるか?」
M「うん?橘はお茶ッパと対になってたよなぁ・・・ちゃっきり節にもあるしなぁ」
私「おい、詩人がしっかりしろよ。白じゃないか。枕草子にあったろぅ」
と言うと。
M「そうか、だけどお前、橘はどんな『におい』か知ってるか?」
私「え、たちばなのにおいの記述なんてあったかなぁ?」
M「知らないのか、
『さつき待つ花橘の香をかげば昔のひとの袖の香ぞする』(古今集139番)
ってね。
『昔のひとの袖の香り』だよ!」
と、やり込められました。
ははは・・・