♬ 屋根より高い 鯉のぼり
大きい真鯉はおとうさん ちいさい緋鯉はこどもたち
おもしろそうに 泳いでる ♪
(童謡「こいのぼり」作詞:近藤宮子 作曲不詳)
大学内がやっと落ち着いて、あちこちでまたサツキがぽつぽつと咲き始める。
大学の坂道の右側がスタンドのあるグラウンドになっている。
きもちのいい昼下がり、同学年のOと話しながら大学院学舎へ向かっていた。
O「やれやれ、ここは駅から教室までゆくのは大変だよ」
私「うん?なんで?」
Oは大学院から、わが大学へ進学してきている。
刑法専攻の軽妙洒脱な俊英である。
O「駅から遠いし、ひとは多いし、馬は歩くし・・・・」
私「ははは、まだ言ってるのかよ。馬はだいじょうぶだって」
O「この前なんかさ、坂道を下ってると、反対側から幼稚園児が束になって登ってきて、横をすりぬけていくんだぜ。ぶつかるかと思ったぜ」
私「え、べつにぶつかったっていいじゃないか」
O「あのさ、こどもとぶつかって、けがでもさせたらたいへんじゃないかぁ」
私「なるほど、君が馬ってわけか」
O「おーい、おれを乗馬うまにするなよ。せめて、季節柄で、鯉にしてくれよ。門をすぎたら龍になろうとしてるんだから」
大学という門を超えて龍になるということのようです・・・・・
ははは、なるほど・・・