Yの部屋で、シューベルトの『野ばら』の話しになった。
Y「そういやぁ、中学生のとき、音楽でシューベルトの『野ばら』って、うたったよなぁ」
私「ああ、覚えてるよ。
♬ わらべは見たり 野中のバラ 清らに咲ける その色 めでぇつ ♪
ってやつだろ(訳詞:近藤朔風)」
Y「そうそれ。あの曲って高音が多いうえに歌詞が文語調だから、かなわなかったよ」
私「それはそうだけどさ、あの頃って変声期じゃないか。女子は、高音はいいけど、男は声変わりでガラガラ声になって、まるで声が出なくて困ったのを覚えてるよ」
Y「ああぁぁぁ・・・あったよなぁ。ほら、同級生のTがさ、端っこでかすれ声でうなってたよなぁ。音楽の女の先生が怒り出してさ」
私「あぁ、そうそう。先生がT君いいかげんにしなさい。あんたは歌わなくっていい、口だけうごかしときなさいって」
Y「うん、若い女の先生だから、中学生の声変わりなんか分かんないんだろうなぁ。Tがべそかいてたのを覚えてるよ」
私「うん・・・先生がばかにされてると思ったのかもなぁ・・・・」
音楽の授業でのほろ苦い思い出でした・・・・
山路折れ夏うぐひすの声変る(白尾澄子)