大学坂道をFと下っていた。
回りにさつきがいっぱいに咲いている。
Fは大学同期で、彼は司法試験をめざして大学院にきていた。
わたしより1つ歳上である。
私「毎年のことながら、この時期は坂道がきれいだよなぁ」
F「ああ、この時期のこのながめはこの大学でも最高だもんな」
私「ところで、さつきって、やっぱり5月に咲くからそう名付けられたのかなぁ?」
F「ああ、そうさ。旧の暦での皐(サツキ)に咲く花だからサツキなんだってさ。調べたからまちがいないよ。それより、サツキの『花言葉』のほうが俺はすきだなぁ」
私「うん?どういうこと?」
F「あのな、サツキの『花言葉』は忍耐とか節約なんだよ。サツキが厳しい環境に耐えて、強く育つイメージなんだって。サツキが山奥や渓流沿いの岩肌なんかに生えるからということさ」
私「あんなに、きれいでやさしそうなのになぁ」
F「だろう、まるで俺みたいだろ」
私「・・・・・・・」
さつき咲上ミや大河を一跨(中川乙由)
(さつきさく うえ見や たいがを ひとまたぎ?)