5月5日は「端午の節句」である。
わたしには、こどものころから、お風呂に菖蒲を浮かせて入る『子供の日』というぐらいの知識しかなかった。
いつであったか、枕草子を読んでいると、『節に五月にしく月はなし』という段を見つけた。
節は五月にしく月はなし。菖蒲・蓬などのかをりあひたる、いみじうをかし。九重の御殿の上をはじめて、いひしらぬ民のすみかまで、いかでわがもとにしげく葺かんと葺きわたしたる、なほいとめづらし。いつかは、ことをりにさはしたりし。(第39段)
簡単な現代語に訳しているのをみると、
「節句のなかでは端午の節句がいちばんだわ。ショウブやヨモギのかおりがまざってすてき。内裏の御殿の屋根やたわいもない民家の屋根にまでもが、生い茂るようにショウブやヨモギで敷きつめるかのようなことが、とってもすてきだわ。いままでに、こんなことがあったかしら・・・ないわよねぇ・・・」
だそうである。
あぁ・・・京じゅうが、みどりのかおりでむせかえってるのかぁ・・・と思うわたしであった。
Yにこのことを話すと、
Y「え、ショウブだけで都が香りいっぱいになるかぁ・・・ならないと思うぜ・・・風呂だって無理なのに」
私「・・・・・・」