norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

カッコウ

 研究室で同期のK平と話している。

 

K平「いい季節になったなぁ。俺んちの近くじゃそろそろ、カッコウが鳴きだすころだなぁ・・・」

 

私「ああ、あれはいいよなぁ。俺は大学生の頃にサークルの春合宿で信州に行ったときに、聞いたことがあるよ。山里の澄んだ空気とみどりいっぱいのなかであの声を聞くとなんともいえない雰囲気があるんだよなぁ」

 

K平「ところがさ、カッコウって『閑古鳥』って書くことがあるって知ってる?」」

私「え、あの『かんこどりが鳴く』っていうあの閑古鳥か?」

 

K平「そうだよ」

私「なんで?」

 

K平「説がふたつあってさ、カッコウの鳴き声って人里離れたところで聞くと、やたらと寂しいと昔のひとは感じたんだってさ。芭蕉なんかも

     『憂き我をさびしがらせよ閑古鳥』(嵯峨日記)

                       って詠んだっていうことらしいよ」

 

私「へぇぇぇ・・・もう一つは?」

K平「中国の故事で、ある王様が自分の領民に、もし自分の政治にわるいところがあったら、広場に置いてある太鼓を叩いて、いさめてくれと言ってたんだって。

そうしたところ、善政をおこなったために、だれも太鼓をたたくことがなくて、その広場が鶏の遊び場になったんだってさ」

 

私「それがなんで閑古鳥?」

K平「鶏が悠々とあそぶくらいヒマで平和だってことだろぅ・・・まあ、それが字になって閑古鳥になったってことかなぁ・・・」

 

私「それ、ちょっと無理がないかぁ」

 

K平「うん・・・だけど学部のときの東洋法制史でそう説明があったもんなぁ・・・本当だと思うぜ・・・しらんけどぉ・・・」

 

       いつまでも一つ郭公早苗取(高野素十)