昭和60年頃のこと。テレビを見ていると、
売れっ子の漫才師がかけ合いをしている。
「な、大阪人は『こなもん』が好きやねん。
たこやきやろ、お好み焼き、やきそば、うどん・・・」
うん・・・そうだよなぁ・・・と笑いながらその日は終わった。
次の日、大学の研究室へ行ったときに、仲間とこの話しになった。
私「なぁ・・・ところでさ、『こなもん』なんて、前から言ってたかなぁ?」
A「え?さぁ・・・『粉でつくったもの』から、『こなもん』だろ。
思いつくんじゃないのかなぁ」
B「だけどさ、粉でつくったなら、
そば、パン、白玉、だって『こなもん』になるだろ」
私「いやぁ・・・あの漫才師たちが言ってるのは、
小麦粉でできた大阪名物を『こなもん』っていってるんだよ」
A「そうだよな。まぁ言やぁ、
『『小麦こなもん』をつづめて言ったしゃれみたいなもんだろ」
B「そうそう。だいたい西日本の文化は小麦粉文化だもんな。
東のそば文化と対比されるんだよ」
A「そうだ。前にテレビで見たぜ。
関西文化と関東文化の食べ物の分かれ目がどこにあるか、調べたんだってさ。
そうすると、だいたい関ケ原辺りで両方の文化食が混在するんだって」
私「へぇぇ~~~。食べ物も『関ケ原合戦』かぁ・・・」
B「ま、『こンなもん』やね」
A「・・・・(ばか)・・・・」
けふもまたうどんのはいる時雨哉 (其角)