norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

二八蕎麦

 昭和57年秋。

しゃれ者Oとの話し。

 

O「なぁ、のりも。実りの秋だよなぁ。食べ物がおいしい時期だけど、おまえなら何が食べたい?」

私「うん?そうだなぁ・・・まつたけごはん、くりごはん、茶わん蒸しにさんま、しゃけ、しゃぶしゃぶ、天丼、かつ丼・・・・」

 

O「まったく、お前はごはんに合うものばっかり考えてんだなぁ。腹こわすぞ」

私「いいじゃないか。なら、お前は何を考えたんだよ」

 

O「今日はさ、28日だろ。いわば二八で蕎麦っていうのはどうだ?」

私「うん?だけど蕎麦って今頃、収穫するのか?」

 

O「夏と秋があるんだけどさ。秋そばがあるのさ。それでな、二八そばって昔からあるだろ?あれってなぜだか知ってるかよ?」

私「え?たしか、江戸時代にそばが16文で売られてて、2×8の16だから二八蕎麦っていうんだろ?」

 

O「おまえ、落語の聞きすぎ。それは俗説なんだよ。本来は、そばはそば粉だけじゃあ麺になりにくいから、そばを打つときに小麦粉2、そば粉8で練ってつくるんで二八蕎麦って言うんだよ」

 

私「へぇぇ~~~そうなのか」

 

O「ああ、江戸時代でも、実際は、そばはうどんと同じで、一杯8文くらいで売られてたってさ」

私「そうかぁ・・・だけど1文って今でいう、いくらくらいだろ?」

 

O「ま、時代によるけどさ、およそ10円から30円くらいまでだって言うぜ」

私「そうか、やっぱり、それほど高くはないんだなぁ」

 

O「そりゃそうさ。そうでなきゃ、銭形平次が困るだろ?」

 

私「・・・(また)・・・・・」

 

       柿の葉の遠く散り来ぬ蕎麦畠(蕪村)