昭和60年頃、大学地下食堂でNやハチヤ君らと食後のカップコーヒーを飲んでいた。
ハ「ねぇ、のりもさん、コーヒーと言ったら、今日はエスプレッソの日なんだって、知ってます?」
私「エスプレッソ?」
N「イタリアンコーヒーだよ。デミタスカップで飲むやつ」
私「デミタスカップ?」
N「だめだ、こりゃ。ハチヤ君教えてやりな」
ハ「はは・・・うちの近くに、イタリアンレストランが出来たんですよね。この前、家族でお昼のランチを食べに行って、最後にエスプレッソが出て、そのウンチクを聴いてきたんですよ」
私「へぇぇぇ~~~」
N「今、世間でイタリア・レストランがはやってるだろ?」
私「へぇぇぇ~~~」
ハ「エスプレッソの始まりは、古くて、明治39年(1906)4月にイタリアのミラノで開かれた万国博覧会で、コーヒー業者が初めて振舞ったものなんですって。作り方としては、機械で豆に蒸気を当てて、圧力を加えてコーヒーを抽出するんですね。だから、そんなに多くの量ができないんですよ。だけど、濃くなるから、香り高いコーヒーになるんですって」
N「うん、俺も、イタリア語のEspressoって語が英語のExpressに当たるんで、急行とか急速っていう意味だから、すぐさま急に抽出するってことだって喫茶店のマスターから聞いたことがあるぜ」
ハ「うん・・・なるほど。そうでしょうねぇ」
N「分かったかよ?のりも」
私「急にそんなこと言われてもなぁ・・・おれは急より普通がいい」
N「・・・(ばか)・・・・」
とんからとんから何織るうららか (山頭火)