昭和53年のこと。大学地下食堂で同期のNやハチヤ君たちと。
ハ「のりもさん。今年は本厄でしょ?厄よけのお参りはされました?」
私「え?厄よけ?」
ハ「ええ。そうですよ。男の厄、25歳じゃぁないですかぁ。たとえば兵庫の清荒神なんかにお参りしないとぉ」
私「それって古くない?」
となりで、同期のNが・・・
N「そうだぜ、俺なんかお前より自然年齢が一つ下で若いけど、前厄だからって、近くの神社にお参りしてきたぜ。信心のないやつだなぁ」
私「何を若ぶってんだよ。同学年じゃないか、もぉぉ」
ハ「そういいますけどね、だいたい厄っていうのは、昔から体の調子がいままでと違ってくる年齢を言うんだそうですよ。男だと25、42、61歳っていう節目だから、気をつけなさいよっていうことでもあるんだそうですよ。理由があるんだから・・・」
私「気はつけるけど、お参りとは関係ないだろぅ?」
N「気をつけちゃいないだろうが。コーヒーはがぶ飲みするわ、のべつタバコはぷかぷかふかすわ、徹夜はするわ・・・だろ」
私「しょうがねぇだろ。論文書かないと卒業できないんだから・・・お前だって来年そうなるんだぜ」
N「だから体のことを考えて、今から、毎晩、アルコールで身を清めてんじゃないか」
・・・・・(その酒をやめろよ)・・・・・
いまさらと思ひてゐしが厄詣(能村登四郎)