♬ おしえてください この世に行くとし生けるものの
すべての命に限りがあるならば 海は死にますか 山は死にますか・・・・
おしえてください・・・・♪
昭和56年のこと、Yの家へゆくとテレビからこの歌が流れていた。
ちょっとYの目が潤んでいる。
私「おい・・・なんだよ・・・泣いてんのか?」
Y「え?泣いてないよ。それより、この歌・・・いい歌だなぁ・・・」
私「二〇三高地のテレビドラマだろ?今見てたの?」
Y「ああ」
私「たしか、防人の詩だよ」
Y「すさまじいんだよなぁ・・・今日のシーン・・・突撃突撃でさぁ・・・」
私「うん・・・・」
Y「だけど、この歌手・・・よくこの戦争映画のための歌を作ったよなぁ・・・たしか長崎出身だろ?戦争には嫌悪感があるんじゃないのかなぁ・・・」
私「ああ・・・だけど、どこかで聞いたことがあるぜ。大物の映画監督にじきじきに主題歌としてたのまれたんだってさ。そのとき、気がのらなかったから、なかなかできなかったって言うぜ。最後には、戦争に巻き込まれたひとたちの『哀悼』や『鎮魂』のために作ったんだってさ」
Y「へぇぇぇ~~~・・・そうかぁ・・・・」
私「歌詞の発想は万葉集だってさ。防人の歌があるだろ・・・その一部を引用したんだっていうぜ・・・・」
Y「うん、うん・・・・しらべてみよう・・・・万葉集 万葉集・・・」
私「・・・・・・」
木枯らしや鎮魂の書を膝の上(加藤耕子)