昭和53年の休日、中学からの友人Yの家で話していた。
私「なぁ、今日は文化の日だろう?あれ、どういう意味で制定されたか知ってる?」
Y「え?えらい人たちに勲章を渡す日だろ」
私「なんだよそれ。もともと、明治天皇の誕生日をお祝いする日だったんだぜ」
Y「そうかぁ。だけど俺にとっちゃあ、文化って言うと、『文化住宅』『文化包丁』『文化鍋』『文化干し』っていう文化の方が、しっくりくるんだよなぁ」
私「まったく、もう・・・お前の頭には食文化しかないのかよ」
Y「おまえねぇ、そう言うけど、人間の基本は衣食住だぜ。その住と食という二つに文化って文字が入ってんじゃないか。そっちだって大事だろうが」
私「それじゃあ、聞くがな、衣の種類に文化ってあるのかよ」
Y「あるだろ!服はふつう、『普段着と余所行(よそいき)』に、はじめからブンカ(分化?)してるじゃないか。衣にブンカはつきものだろう」
私「・・・(しゃれかよ)・・・・・」
渇きとは食欲のこと文化の日(佐藤鬼房)