昭和57年11月。
いつものように、地下食堂で中国法制史専攻のハチヤ君との話し。
ハ「のりもさん、秋ですねぇ・・・」
私「どうしたんだよ、急に?」
ハ「いえぇ・・・今、菊の花の真っ盛りでしょ?菊って高貴な花だっていわれる意味って知ってます?」
私「うん?またクイズで来たか。ええっと、菊って日本じゃあ皇室の御紋になってるからじゃないのか?」
ハ「うううゥゥゥンン・・・・間違ってるとはいいませんけど、順序としては逆だとおもいますよ。菊って中国伝来の、9月9日の重陽の節句で使われる重要な花だから、宮中行事のときにも使われて、後年に菊の御紋へとつながったっていわれてますからねぇ」
私「え?菊そのものが、高貴なわけ?」
ハ「うううゥゥゥンン・・・・まぁ・・菊って唐の時代から薬だっていわれてたんですって。それと、中国じゃあ、9っていう数字は縁起のいい数で、それが二つ重なる9月9日をチョウヨウって言って、薬である高貴な菊をお酒なんかに浮かせて飲んで、長寿を祝ったんだっていうんです」
私「なんだか、あんた今日は唸ってばかりいるなぁ。二日酔いかぁ?なるほど、菊が薬かぁ・・・・ということは、菊酒は飲みすぎても大丈夫かな?」
すかさず
ハ「二日酔いに効く(菊?)ことは、絶対にありません!!!」
私「・・・・(なるほど昨日、飲んで、ためしたのか)・・・・・」
升のみの酒の雫や菊の花(正岡子規)