昭和54年9月、パーソナルコンピュータPC8000シリーズと銘うって、テレビ画像とキーボードが一体となったパソコンが発売された。
テレビCMでは、『ザ・オフコン』といったキャッチフレーズでバンバンと宣伝された。
そのときの、私の学生仲間との話し。
私「なぁ、一体型のパーソナルコンピュータが発売されたよなぁ。PC8000シリーズとか言って、宣伝してるじゃないか。どう思う?」
A「ああ、あのオフィス用にって、ワープロや画像処理ができて、カラー表示モニターがついたやつか?」
私「そうそう」
A「あれは、ビジネス用だよ。それに、高いよ。本体だけで16・7万円するだろ。とってもじゃあないが、手が出ないね。それに、あれは、専門のプログラミングができないと、ただの箱になっちまうよ」
私「そんなもんかなぁ・・・ところで、そのプログラミングって何?」
A「なんだよぉ、そんなことも知らないのか?プログラミングっていうのは、いえば指図書を作ることだな。コンピュータにこうこう こういう手順で こういうふうに 計算して こうしろ って命令するんだよ。それを、数字や記号でコンピュータに命令するのさ。その命令書をつくることをプログラミングっていうんだよ」
私「へえぇぇぇぇ~~~。そんなことするのかぁ・・・それで間違ったりするとどうなるの?」
A「そりゃ、思った結果がでなくなるんだよ。たとえば、こうこう、こういう風に結果を出せって命令したのに、全く動かないということになるのさ。それに、正しいと思ってプログラミングしても、命令順序間違いとか、命令指図に穴があったりしてもだめなのさ。こういうのを、『バグ』って言って、いわば虫がはいってだめになったっていう意味で、間違いの典型だっていわれてるよ」
私「・・・じゃぁおれ・・・バグだらけだぜ・・・・」
A「・・・・・・・・・・」
新しき目籠の色の初秋かな(飯田龍太)