norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

かい人21面相

 昭和59年のこと。

数社の製菓会社に脅迫状が届き、製品のお菓子に青酸カリを入れたこと、やめてほしければ数億円を払えという。いわゆる『かい人21面相』を名乗る脅迫事件が起こった。

 

 大学の生協食堂で数人の学生が話しをしている。

A「お菓子会社を脅迫するなんて、悪いやつがいるなぁ」

B「ああ、それも消費者が口に入れる食べ物を人質にとって、カネにしてやろうなんて、最低だなぁ・・・」

 

C「脅迫罪または恐喝罪で10年の懲役か?」

 

B「ならねぇよ。ゼミでやったろ?製菓会社は法人じゃないか。個人に対しての罪での『脅迫・恐喝の罪』にはならないんだぜ。ま、業務妨害罪で懲役3年くらいだろうな」

C「おい、Bおまえも間違ってるよ。食べ物をカタにしたんだから、人質にはならねえぞ。いわばモノ質だろうが」

 

B「こまかいこと言うなよ。あえて言やぁ、一般消費者の生命をカタにとってんだから、ひろい意味じゃぁ人質だろうが」

 

A「それよりさ、あの犯人。腹立つよなぁ。『かいじん21面相』なんて、まるで有名探偵小説の登場人物名をもじったりして、なに気取ってんだろ」

 

B「そうなんだよなぁ。それに、あのきたない『大阪弁』で脅迫状を書くのは許せないよなぁ。日本全国のひとに、大阪弁は『悪』ってイメージを拡散してるじゃないかぁ。」

 

A・C「うん・・・また大阪と阪神タイガースのイメージが悪くなる・・・・」

 

     悪行に徹することの根切虫(山田弘子)