昭和53年のころ。
7月末の大学正門前に着いたとき、うしろから追いついたOの声がした。
O「おい、おのりもぉ。おはよう、早いなぁ」
私「おお、おはよう。補講か?」
O「ああ、前期最後の刑事法の輪読会だよ。夕方から打ち上げのコンパさ」
とOが言ったとたん、ミ~~~ンと泣き始めたかと思うと、
あちこちから一斉に ジャア~ァァァ~~~ンンン~~ とセミが鳴き始めた。
O「うわぁ~、うるせぇ・・へたくそな協奏曲じゃあるまいに・・・」
私「ははは。『ようこそ』って、セミが言ってるぜ」
O「お前といると、何か起こるよなぁ」
私「人聞きの悪い、たまたまじゃないか」
O「馬だろ、幼稚園児との衝突だろ、へたなセミ協奏曲だろ・・・」
私「もおぉ・・・」
O「ははは。ところでさ、今日は大暑だろ」
私「あの1年で一番暑い時期だっていわれるやつか?」
O「そうそう。なんでこの時期のことを大暑っていうか、知ってるか?」
私「うん?字のとおり『おおいにあつくなる』からじゃないのか?」
O「たいしょうな(大層な?)!!」
・・・・だじゃれかよ・・もう・・・・
大阪などでは、おおげさなことを言うと、
「たいそうな」 といって揶揄します (天のこえ)
いちにちの樹々さだかなり大暑なり(廣瀬直人)