研究室で。
A「あったかくなったなぁ」
B「ああ、もうすぐゴールデンウィークだもんなぁ」
A「おれ、きのうは炬燵で寝てしまったよ」
B「え、まだ炬燵を出してんのかよ。そのままで寝ると風邪ひくぞ、不精だなぁ、仕舞えよ」
A「だけど、ひょっとしたらまだ寒くなるかもしれないじゃないか。下宿生には必需品なんだぜ」
B「まったく・・・」
A「それはそうと、『炬燵を立てる日』ってあるの知ってる?」
B「え、そんな炬燵を立てる日って決まってるのか?」
A「じいさんが言ってたんだけど、『亥の月・亥の日』が『こたつ開き』といわれるんだってさ」
B「何それ?」
A「なんでも、陰陽五行では『亥』というのが『水』の運気があって、『火』を制する力があるんだって。炬燵も火をつかうだろ。だから大きな災害が起こらないようにするため、亥の月つまり11月の最初の亥の日、だいたい第一週に炬燵を立てるのがいいんだってさ」
A「なるほど、だけどまあ『おまじない』みたいなもんだなぁ・・・結局いつだっていいもんなぁ・・・」
B「だろう。だから、仕舞うのも、いつでもいいんだよ」
A「・・・・・・・」
しまはずに置いてよかりし春炬燵(稲畑汀子)