大学で悪友たちと。
A「なぁ、11月って特徴のない月だと思わないか?」
B「どうして?」
A「べつに特別にぎやかなイベントがあるわけじゃなし、季節的にも極端に寒いわけでもなし」
C「うん、俺もそう思う。なんだか、中途半端なんだよな」
A「昔のひともそう思うから、11月は仲冬と言ったり、雪待月って言ったりしてたそうじゃないか?」
B「おいおい、雪待月ってのは分かるけど、仲冬ってどういうことだよ」
A「これも、古典でやったろう?旧暦の冬は10月から12月になるから、11月は冬の真ん中で仲冬じゃないか。いわば山の中の『吊り橋』みたいなものさ」
B「だけど、なんでニンベンが付くんだよ。真ん中なら中でいいじゃないか」
A「仲の語源は『ひととひとをつなぐ』っていうことで、『つなぐ』に意味があるからだろ」
B「なんか、中途半端だなぁ・・・」
D「だから、中途半端っていうと、あまり良い意味じゃなくなるから、『中庸』っていえばいいんじゃないか?」
B「どうちがうんだよ・・・」
なほ燃ゆる色を尽くして冬紅葉(稲畑汀子)