ハチヤ君と、話している。
ハ「のりもさん、この時期は『お彼岸』でしょ。それで例の『あんころ餅』食べるでしょ?」
私「ああ、おはぎのことか?」
ハ「そうそう、あれ、なんでおはぎっていうか知ってます?」
私「うん、前に大学の悪友たちとしゃべってたんだけど、結局、秋の萩の花に因んで、風流さを強調してるんだろうってことだったと思うがなぁ」
ハ「そうですよね。それに、あの表面にでてるつぶつぶが、萩の花に似てるからそう言ったんだっていうのがもっぱらですよね」
私「え、花の形ににてるのかぁ?」
ハ「そうですよ。それと、春になると『ぼたもち』ですよね」
私「そうだったよな。それも季節花に因むんだよな」
ハ「さて、のりもさん。これが、夏・冬になると、なんと呼ぶか知ってます?」
私「え???夏・冬って・・・・そんなのあんの???」
ハ「あるんですよ、これが。別にあんころ餅って夏・冬に食べちゃいけないってことはないでしょ?」
私「そりゃそうだけど・・・・」
ハ「実はね。餡餅は夏には『夜船(よふね)』、冬には『北窓』って言ってしゃれることがあるんですよ」
私「なんで?」
ハ「このあんころ餅って、餅じゃないですか。だけどその中身の餅って杵臼で搗ついて作るんじゃないんですね。ということは、餅を搗く音がしないので、隣近所のひとが分からないうちに出来上がるって言うんです。夜に着く船って音もなしに着くってことから、着くと搗くをひっかけてるんですって」
私「へぇぇぇぇ~~~・・・すごい考えオチだなぁ・・・・」
ハ「では、問題。冬に北窓というのはなぜでしょうか?」
私「・・・・・ううぅぅンンン?・・・わからん・・・・」
町中が彼岸の匂ひしてをりぬ(稲畑汀子)