norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

避雷針

 わがサークルの部室における入り口ドアは、木でできていた。

ある日、この部室に行ってみると、ドアに油性マジックで大きく

   「熱なき者は去れ!」

             と書いてある。

何事がおこったのか、分からないでいた。

 

 2・3日して悪友と3年の先輩たちと広場で話していて、このナゾがやっと解けた。ドアにこれを書いたのは、俊英の誉れ高き4年のY先輩である。

 

 その理由は、土曜日の法律相談会に下級生が無断で欠席するため、事務処理に支障をきたしたことがあったり、Y先輩が主催する学生研究会に無断で欠席したり、勉強不足で出てきたりと、相当、Y先輩を怒らせることが重なったのが原因であった。

 

 これを知っている3年生の加賀先輩が、

「お前ら、注意しろよ。今、Y先輩は相当、機嫌がわるいからな。へたに近づくと雷がおちるぞぉ」と言って、教室へ行ってしまった。

 

 そうこうしていると、学舎の方からY先輩がカバンを持ってこちらへやってくる。

それを見て、KやMはさっさと、どこかへ消えてしまった。

 

そのあと、Hが私に、

H「おい、のりも。来週の研究会の予定を、Y先輩に言っておいてくれよな。まかすぜ」

私「まてまて、なんでだよ。お前、その掛りじゃないか。お前がいえよ」

H「いいじゃないか。お前は、末っ子で親兄弟に叱られ慣れてるだろぅ。じゃあな、たのむぜ」と言って、授業に行ってしまった。

 

 そのあと、Y先輩にHから聞いていた研究会の予定を告げると、細かなところまで、Hから教えられていなかったため、説明に窮した。

 

 Y「何を、中途半端な説明をしてるんだ。お前はいつもそうだろぅ。もう一度、調べなおして連絡しろ!!!だいたい、お前は・・・・」

と、予想通り、叱られることになった。

 

      ・・・・俺は弾除けかよ・・・・

 あとで悪友Hいわく

      「ちがうちがう、避雷針!」

        ・・・・・もう・・・・

 

       こんなに小鳥が知らせに来るよ雷くるぞ(金子兜太