昭和49年の12月は、大阪梅田でサークルの忘年会が開かれた。
その日は土曜日で、宴会前に大阪市内の公民館で法律相談会が開かれている。
夕方5時になって相談会が終わり、みんなが三々五々公民館から出てきて宴会場に向かう。
すると、Kが私に、
K「なぁ、のりも。宴会場まで歩いてゆこうぜ」
私「え、お前、歩くと会場まで、たぶん30分ほどかかるぜ。それに道わかるのかよ?」
K「いいじゃないか、何とかなるさ」
まったくぅ・・・すぐそばの地下鉄に乗れば、5分ほどで最寄り駅に着く。
それなのに、知らない道を歩こうというのであるから、Kの冒険心にも困ったものである。
Kはだいたい、初めてのことが好きで、なんでもやってみようという性格である。
それと、からだを動かしたくて仕方がないようである。
悪いことではないが、このときは宴会開催時間が迫っている。
おそらく、30分なら着いてすぐ、宴会が始まる。
もし遅れたら、あの先輩の『げんこつ』が待っているが・・・・。
ま、いいかぁ・・・。
わたしもその気になって、どちらが言うわけでもなく、
「それ、急ぐぞ~ぉ」 まさに、競歩となった。
♬ 泣いているのかぁ 笑っているのかぁ
後ろ姿の すてきなあなたぁ~
ついてゆきたい あなたのあとを
振り向かないで~ ○○のひと~ ♪
(ハニー・ナイツ「ふりむかないで」)
なぜか頭の中で、この曲が流れていました・・・・ははは
凩が走る家並の夜に入る(廣瀬直人)