norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

山開き

  ♬ あたまを雲の上に出し 四方の山を見おろして 

          かみなりさまを下に聞く 富士は日本一の山・・・・・♪

               (「富士山」唱歌 作詞:巖谷小波 作曲:不詳)

 

 昭和60年ごろ、いつものように大学地下食堂へ後輩のハチヤ君といっしょに向かっていた。

 

私「今日は富士山の山開きだって。天気予報でいってたけど、まだ梅雨明けしないのに 

   山登りってことでもないだろうになぁ・・・」

 

ハ「え?山って信仰の対象なんですよ?

   昔は霊山は修行の場所で、修験者以外は登らないし、

      のぼっちゃいけないんですよ。そんなことから、来てるんですよ」

 

私「どういうこと?」

ハ「ほら・・・比叡山とか高野山は一種の霊場でしょ。

  だから僧侶がお寺を建立して、修行するじゃないですか。

   特定の山は神秘的な霊場で、俗人が立ち入っちゃいけないんですよ。

                   富士山なんかはその典型なんです」

 

私「うん・・・」

 

ハ「そうした精神構造が崩れてきたのが、江戸時代だって言われてるんです」

私「なるほどね・・・」

 

ハ「たくさんのひとが、『日本一の富士のお山』にのぼりたいって言いだして、

         また実際に富士登山が盛んになったんです。

    そうすると、当然、霊山たる富士に登る時期は限られてくるじゃないですか。 

         当然夏じゃないと、危なくて困るでしょ?」

 

私「それじゃ、梅雨時は外すんじゃないの?」

 

ハ「そうでしょうね」

 

私「そうでしょうねって・・・今、まだ梅雨どきだよ?」

 

ハ「江戸時代でしょ・・・旧暦の七月ですよね・・・山開きわ・・・」

 

私「・・・(今は・・・新暦・・か)・・・」

 

      山開き遅るる富士の残り雪 (手島知韶)