♬ 箱根の山は天下の険 函谷関も物ならず
万丈の山千仞の谷 前に聳え 後に支う
雲は山をめぐり 霧は谷をとざす 昼猶闇き 杉の並木・・・♪
(『箱根八里』作詞:鳥居忱 作曲:瀧廉太郎)
大学地下食堂へ向かう雨の石段を、東洋法制史専攻のハチヤ君と降りていた。
ハ「♪フフフンン ひるなおくぅらぁき~~・・・」
私「あれ?箱根のうた?どうしたの?」
ハ「え、いえね。きのう中学2年の甥っこと話してましてね。
修学旅行が東京方面だって言ってたんですよね。
箱根の方へも行くらしくって、それを思いだしちゃいましてね。
僕も中学のときはそうでしたからね」
私「そうなの。じゃぁ・・・♪ 羊腸の小径わぁ~ こけぇなめらかぁ~なんてことで、
今日の昼は肉にするかぁ・・・」
ハ「すぐ食べる方へ行くんだからぁ、もぉ・・・
この歌詞って中国故事なんかになぞらえた、格調高い意味があるんですよぉ」
私「うん?そうなの?」
ハ「ええ。たとえばね歌詞の
『♪ 一夫関に当たるや万夫も開くなし』なんていうのは、
李白の漢詩『蜀道難』から採ったんだっていわれてるんですからぁ」
私「え・・・しょくどう なん?・・・いまから行くじゃない」
ハ「またぁ・・・もぉぉぉ~~~」
私「・・・・(ははは)・・・・・」
箱根路の雨強くなる破れ傘(松川洋酔)