♬ 知らず知らず 歩いてきた 細く長いこの道
振り返れば 遥か遠く 故郷が見える
でこぼこ道や 曲がりくねった道・・・・ああ川の流れのように・・・♪
(『川のながれのように』美空ひばり 作詞:秋元康 作曲:見岳章)
ある大学の講師控室で国文学者のF先生と話していた。
F「ああ・・・一時代がおわりましたねぇ・・・
ひばりがちょうどこの時期にいなくなるなんてねぇ・・・」
私「そうですね。びっくりしましたよ。
この前まで復活コンサートだっていって、
真っ赤なドレスで歌ってましたもんねぇ・・・」
F「ええ・・・
『桜桃を胸に六月十九日』(石川桂郎)ならぬ『桜桃を胸に六月二十四日』
ですねぇ・・・・」
私「え?おうとう・・・?」
F「太宰ですよ。太宰治が亡くなったのが19日でね。
これを太宰忌っていうんですが、太宰は作品にもあるくらい桜桃、
つまり、さくらんぼが好きでね」
私「・・・ぁぁ・・・・」
F「ひばりって、コンサートのとき、真っ赤なドレスを着てたでしょ。
まさに桜桃なんですよねぇ・・・
別名『初夏のルビー』っていわれるのが、さくらんぼでね・・・・
あのときの姿と重なるんですよねぇ・・
僕には・・・」
私「・・・・・・・」
さくらんぼ 甘酸っぱく食む 送りづゆ(のりも よしあき)