大学地下食堂へ向かう石段を歴史好きのハチヤ君と降りていた。
ハ「あ・・・あやめ が 咲いてますね」
私「いずれ あやめかかきつばた・・・・」
ハ「あれまぁ・・・きどっちゃってる」
私「はは・・・おなかすいた。早く行こうよ」
食事を終えたテーブルで。
ハ「ところでね、のりもさん。さっき言ってたあやめね」
私「え?女性落語家の話し?」
ハ「なんでそんなとこへ行くんですかぁ・・・ちがいますよ。もぉ・・」
私「ははは・・・冗談冗談・・・なに?」
ハ「あやめって菖蒲(しょうぶ)って書くでしょ?なんでだか、知ってます?」
私「・・・うん?・・・知らない・・・なんで?」
ハ「よくはわからないんですがね。菖蒲って中国渡りの字なんですよね。
奈良時代には、ショウブのことを『あやめ草』って呼んでたんですよ。
あやめって日本の草花で『文目』って書いたんです。
花びらに網目の模様があったから、そう言ってたんですよ。
菖蒲はこのあやめと、混同されて『あやめ草』って呼ばれてたことがあって、
結局、字が一緒になったんだってことです」
私「へぇぇ~~~・・・あやめ草かぁ・・・」
ハ「ただ、この頃のあやめって、
花は蒲(がも)の穂に似たもので、
美しくもなんともなかったらしいですよ」
私「あ・・・そんなこと言ったら・・・女性落語家に怒られるぞ・・・」
ハ「・・・(それとは・・・関係ないでしょう・・・・もぉぉ)・・・」
はなあやめ五尺曇りの薄匂ひ (加藤曉台)