昭和55年頃、ハチヤ君との会話。
ハ「のりもさん、『ほととぎす』が秋の季語になることって、知ってます?」
私「えぇぇ!ちがうよ。ホトトギスは夏の季語だよ」
ハ「と思うでしょう?のりもさんの言ってるのは鳥のホトトギスで、僕のいうのは花の『ほととぎす』なんですよね」
私「え?花にホトトギスなんてあったっけ?」
ハ「それは、のりもさんの認識不足。この花はユリ科の山野草で、夏の終わりから秋に紫色のかわいい花が咲くんですよね。花びらには独特の斑点が入っていて、それが鳥のホトトギスに似ているっていうんでこの名が付いたんですって」
私「あ、ですってってことは・・・あんたも知らなかったんだな?」
ハ「ははは、ばれたか。これも師匠との話しで知ったことなんですけどね。季語の話しになって、ホトトギスの漢字は、鳥の方は『杜鵑』『時鳥』『不如帰』と書いて、花は植物だから『杜鵑草』『時鳥草』と、草をつけるんだっていう結論になったんですよ」
私「うん、なるほどね。だけど『草』の一字が増えても、ホトトギスって読むの?」
ハ「さぁ?・・・・」
私「・・・・・・・・」
杜鵑草手にし座興に鳴かせみぬ(高澤良一)