♬ もしもあなたに 遭えずにいたら わたしは何をしてたでしょうか・・・・
時のながれに身をまかせ あなたの色に染められ・・・
いまはあなたしか・・・♪
(『時の流れに身をまかせ』テレサ・テン 作詞:荒木とよひさ 作曲:三木たかし)
昭和61年の夕方。
ある大学付近の喫茶店で経済学専攻のY先生と証券論のJ先生とが、
コーヒーを飲みながら、雑談をしておられた。
Y「この歌、今よくはやってるなぁ・・・Jさん知ってる?」
J「そうですね。テレサテンっていうんでしょ。あちこちで流れてますものね」
Y「そうそう。だけどこの曲を聴くと、
なんだか今の経済状況を皮肉ってるような気がするんだよね、僕には」
J「え、円高の今の状況をですか?」
Y「うん・・・あの去年の『プラダ合意』。
あれで、円が1ドル250円だったものが120円にもなったでしょ。
まぁ・・・アメリカを助けるために、
日本やヨーロッパの国々がドル安になるように合意したってこと」
J「まぁ・・それのおかげで、日本は海外投資しやすくなりましたけどね。
証券業界としてはそれほど不幸でもないらしいですよ」
Y「そうかね。あちらがよければ、こちらが立たずってとこかねぇ。
しかし・・・日本ってのは、アメリカさんのいうとおり・・・
あなたの色に染められぇ~ってことかね」
J「ま・・・しばらくは・・・
♪ ときの流れに身をまかせぇ~ ってところでしょ」
・・・・(なるほど)・・・・
高き屋に のぼりて見れば煙立つ 民のかまどは賑わいにけり(仁徳天皇)