♬ むかし むかし うらしまは たすけた亀に つれられて
竜宮城にきてみれば・・・・♪
(童謡『浦島太郎』作詞・作曲:不明)
大学の坂道を後輩で東洋法制史専攻のハチヤ君と下っていた。
ハ「ね、のりもさん。今日は空海生誕の日なんですよ。知ってます?」
私「え?そうなの。へぇぇ~~」
ハ「へぇぇ~~って、もう少し感動してくださいよ。
あの いろは47文字を歌にした哲人なんだから。
のりもさんだって、レポートの項目順序をいろはで分けるでしょ。
恩恵にあずかってるんだから」
私「うん・・・だけど、近頃はいろは分けより、
a・b・cで分けることの方が多いしなぁ・・・
それに、あのいろは歌って空海が作ったっていうのは俗説じゃないか
っていう話しもあるだろ?」
ハ「そちらへ行きますかぁ・・・では言いますけどね。
あのいろはの順って、和歌になって、
世の無常と仏法思想がちゃんと整理されてるところがすごいんだ
っていわれてるでしょ。
a・b・cのならびは歌にならないし、思想的意味はないじゃないですか。
あれだけの思想背景って
やっぱり空海ほどの知的素養がないと生まれないと思いません?」
私「だけどさ・・・・♪ え~び~し~でぃ~い~えふ じ~
って音階のある歌があるよ?」
ハ「もぉ~~。いろは歌って、昔は音階のある今様で謡われてたんですよ。
それに、明治以降はいろんな童謡たとえば、
♬ むかしぃ むかし うらしまわ~
って曲なんかで歌われたんですから。
歌ってみましょうか?ぴったり合うんだから・・・
♬ いろわぁ にほへどぉ ちりぬるを~~~・・・・」
私「・・・・・・・」
伊呂波など散らす夏書の筆馴らし(上田五千石)