norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

9分半遅れ

 昭和59年6月16日の土曜夜、テレビをみていると、

  画面がまっくらで、ドリフターズのメンバーの声だけがしている・・・・

    やがて

    ♯ はちじ9分半おくれだよ!! ぜんいん集ごぉー!!!

 

                      とのこえが流れて、番組が始まった。

  大ハプニングであった。大人気の生放送番組が停電によって、

                        放送事故が起こったのである。

     新聞などでも大きく報道された。

 

 これが、月曜日にわれわれ大学仲間の間でも話題になった。

A「あんなことって・・・あるんだなぁ?びっくりしたよ」

B「ああ。生放送だからなぁ。結局、何が起こるか分からないってことだろうな」

C「停電だろ?今どきなぁ・・・

        俺たちが子供のころなら、ちょこちょこ経験したけどな」

 

A「そりゃさ、東京のスタジオで演ってるんじゃなくて、

      地方の体育館かなんかの会場で演ってんだぜ。

    大量の機器が使われるから、電源のヒューズが飛んだんだろうってさ」

B「うん?おれが聞いたのは、人気番組だから、

    会場に入れない人間が

 くやしまぎれに放送用の電気コンセントを抜いたんだっていうことも言われてるぜ」

C「ふうぅぅンンン~~~・・・

   だけどさ、しゃれてると思わないか?8時9分遅れじゃなくて、

        『8時9分半遅れだよ』っていってるところがさ」

 

A「なんで?」

B「そうだよ。言うなら9分遅れとか、10分遅れって言えばいいじゃないか」

C「ちがうよ。そんなことを言ったら、印象に残らないし、

  残ったとしても正確に遅れた時間を言いましたってだけじゃないか」

 

A「実際、そうだろ?」

C「そうじゃないさ。この番組名が『8時だよ全員集合』なんだから、

   この回だけは『8時9分半遅れだよ全員集合』

           っていう10分までは行かないけど、

   半分・・・ちょっと惜しい遅れの特別番組だよ、

          っていう意味にとらえようと思えばできますよって。

       ひとつの説明をかねた『しゃれ』になってんじゃないか」

 

A・B「・・・・・・・・」

 

      六月の牡丹ぼたんいろひと親し(山口青邨