ある大学の研究室で国文学者のU先生とお茶を飲みながら。
U「ああぁ・・・今日も一日おわりですねぇ・・・」
私「お疲れ様でした。先生はそろそろ畑仕事を始められるんですか?」
U「いやぁ・・・それより、君の言ったことで思いだしました。
今日はじゅうろくにちだんご』ですよ」
私「じゅうろくにちだんご?それ何です?」
U「関西ではあまりなじみがないんだけど、
東北や北陸では3月16日に十六個の団子をお供えして、
田の神をお迎えするっていう行事です」
私「田の神をお迎え?」
U「ええ。神さまは冬の時期は山に居て、
暖かくなって田植の時期になると里へ降りていらっしゃるって言うことで、
丸い餅だんごでお祝いをするんですよ。
いわば神迎えの民間信仰でしょうね」
私「へえぇぇ~~~・・・だけどなんで16個なんでしょう?」
U「うん・・・詳しいことは分からないんですがね。
平安時代に『嘉祥の儀式』っていうのがあって、
仁明天皇が十六種の餅やお菓子をお供えして、
疫病除けや人々の健康を祈ったんですよ。
そこから来てるんじゃないかっていわれてますね」
私「なるほどぉ・・・」
U「さ、帰りましょうか。
わたしは『花より団子』ならぬ『団子よりお酒』ですね。
今夜のわが家の『〇〇寒梅』が恋しい・・・」
・・・ははは・・・