冬のある日、Yの家へ出向く。
私「おーい、居るかぁ。いい天気だぜ、散歩にでも行かないかぁ?」
Y「おお、のりも。ちょっと待ってくれ。今、テレビで富士山の特集してんだよ。見ろよ、勇壮できれいだぜ。特に冬の富士のシーンだからさ」
私「うん?どれどれ?おお・・・冬の富士かぁ・・・いいなぁ・・・」
Y「ところでな、むかしさぁ、プロスキーヤーの三浦雄一郎が富士山で大滑降したろ。あれを今、思いだしたんだよ」
私「ああ、ニュースだったか、映画だったか・・・見たことあるよ。それがどうした?」
Y「いやぁ、彼がなんで富士山をスキーで滑ろうって気になったのかが不思議になってさぁ」
私「うん?そりゃぁまぁ冒険家だからだろぅ?」
Y「冒険にしたってさ、この富士山の解説聞いてたろ?頂上付近から滑りだすと、とてつもない急坂だし、おそらく突風は吹くだろうし、分からないところにクレバスはあるわ、一度でも転べば生きてられないんだぜ・・・・」
私「うん・・・・」
Y「感動するんだよなぁ・・・・さてと、体をきたえないとなぁ・・・歩くんじゃなくて、ランニングにするか、のりも?」
私「やだ!」
寒けれど富士見る旅は羨まし(子規)