昭和53年頃、刑事法専攻のOとの話し。
O「なぁ、のりも。お前さぁ『蓼食う虫も好き好き』ってことわざ知ってる?」
私「ああ、良く聞くよなぁ。それがどうかしたのか?」
O「うん。大学の講義でさ、よくウチの師匠がこのことわざを言いだすんだよなぁ。あれって、蓼っていうのは辛くって虫も食べないのが普通だというので出来たって言われてるだろ?」
私「なるほど・・・それで?」
O「いやぁ、この前さぁ、刑事法の研究会帰りに、食事会になって、刺し身が出たんだよな。そのとき、さしみの薬味に赤茶色の葉っぱが付いてるじゃないか。刺し身醤油に浮かせて食べるやつ」
私「うん・・・」
O「あれって、蓼なんだってよ。初めて知ったよ。それでさ、おれも虫になっちまった!!」
私「・・・・・・・」
食べてゐる牛の口より蓼の花(高野素十)