♬ 素肌に片袖 通しただけで
色とりどり 脱ぎ散らかした
床に広がる 絹の海・・・・
私ほんのり 涙ぐむ・・・
あゝ夢一夜 一夜かぎり に咲く花のよう 匂たつ・・・・
昭和58年ごろ、夕方にYの部屋で話していると、ラジオから高音の澄んだ声で、
ゆめ~ひとよ~・・・とのセリフが。
Y「おい・・・この曲・・・夢ひとよだろ?」
私「そうだな」
Y「なんだか、これ、極彩色の妖艶さがあるんだよなぁ・・・
今日さ映画に行って来たら、市川崑監督の『細雪』の予告編があってな。
そのなかに、あでやかで、豪華な着物を風に当てるっていうことで、
極彩色の着物がいっぱい並べられているシーンがあるんだよ。
それを思い出したよ」
私「へぇぇ~~ 細雪がまた映画化されるのかぁ」
Y「ああ、三回目だってさ。だけど出演女優が豪華だぜ・・・
私「ふぅぅ~ンン」
Y「なんだよ・・・興味なさそうに・・・」
私「うん・・『細雪の世界』って映像的には、きれいだとはおもうんだけどさぁ・・・
なにか、こう・・・・・むず痒いんだよなぁ・・・・」
Y「うん、分かる・・・夢一夜だもんな・・・」
え?・・ゆめひとよ????・・・・
遠く咲く真冬の花火ピアニスト(高橋謙次郎)