いつものように、F先生とある大学の講師控室で話しをしていた。
F「やれやれ、きょうで今年の講義は終了ですねぇ」
私「そうですね。ご苦労様でした。あとは後期試験を残すだけですねぇ」
F「ええ、まぁ・・・それでも たくさん仕事は残ってますけどねぇ」
私「そうでしょうね。先生は一番の働き盛りの年齢ですもんね」
F「ところで終わりと言えば、今日は『みそか正月』だって知ってますか?」
私「え?・・・むかし・・・おやじが言ってたことがあるんですが、よくわからないんですよ」
F「そうでしょうね、今はあまり言わないものねぇ・・・旧暦からの慣習でね。正月の終わりの日としてお祝いをすることを言うんですよ」
私「なにか意味があるんですか?」
F「どうでしょうねぇ・・・旧暦での農事の慣習の影響を受けてるんだと思いますが、正月松の内を過ぎて、その間にあいさつのできなかったひとの家に行ってお祝いをのべたり、旧正月前の行事として、そばを食べるといった地方もあるんですよ。まぁ、ここで旧暦1年のひとくぎりっていうことでの習慣でもあるんでしょうね」
私「なるほど・・・区切りの慣習ですかぁ・・・」
F「そう。講義終了と重なってなんとなく、ほっとするでしょ? さて、帰りましょうか、家でお屠蘇を飲まないと」
私「・・・・・・・」
これもまた屠蘇というかや末日酒(のりも よしあき)