冬真っ只中の2月。
このころ、わが大学でも入学試験の真っ最中でもあった。
われわれの頃は、学生が大学の奥にある自習室ともいうべき研究室に入ることはできたので、ストーブの火を目当てに、大学に、資料あさりに来ていた。
そのとき、部屋にハチヤ君がやってきた。
ハ「のりもさぁん・・・『むつのはな』が飲めや歌えのおおさわぎですよぉ・・・・
おお・・・さむうぃぃ~~~」
と、傘を扉のところに立てかけてストーブに手をかざす。
私「え?むつのはな?飲み屋でコンパでもあったの?」
ハ「ちがいますよぉ・・・あれ・・傘についてる白いやつ」
私「あれって・・・ああ・・・雪かぁ・・・」
ハ「そう。わかりました?」
私「うん。学部生のとき悪友が 雪の結晶は六角形だから、
俳句なんかじゃぁ、六つの花ってしゃれるんだっていうのを思い出したよ。
だけどそんなに降ってんの?」
ハ「ええ、もぉすごいですよぉ・・・
電車から見えた 川のカモ なんかも、こごえてましたもんね」
私「ええぇ~ カモなんかこごえないだろう?」
ハ「かもね・・・」
私「・・・・・・・・」
風にちる夢やねはんの雪の花(露川)