norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

三番叟

 講師控室でのF先生との話し。

 

私「先生。ところで、お正月にテレビを見ていたら、

    日本の芸能っていう番組で『三番叟』をやってたんですよ。

  あの演目っていつもお正月に掛るじゃないですか?なんでなんでしょう?」

 

F「うん?知らない?まあ、能や狂言で扱われると、現代的なテンポとちがうし、

   言葉遣いも舞も古いからねぇ・・・

     あなたなんかには、眠いだけで、意味がわからないでしょうね」

 

私「正直いって、そうですね」

 

F「ははは・・・あれはね、鎌倉時代の『猿能楽』から生まれたもので、

      五穀豊穣を祈る、農村行事から始まった

                     っていわれてるんですよ」

 

私「へぇぇ~~~」

 

F「それでね、もともとは、老人の面を付けた神が、踊り語り、祝福する

                   というものだったんですが、

   式三番というものになって

   『若者が舞う:千載』『集落の長が舞う:翁』『農民が舞う:三番叟』と

                 舞のステージが変わって演じられたんですよ」

 

私「うわぁぁ~~ややこしい」

 

F「でしょ。だからはじめの千載っていう舞が演じられなくなって、

   お能なんかでは、残りふたつが演じられるようになったんですね。

ただ、この三つのことを指して、『式三番』っていうんですよ」

 

私「なんで式なんですか?」

 

F「五穀豊穣を祝う『例式』だから式なんでしょ・・・たぶん。

    それで正月新春のお祝いに、この舞が披露されることになったんでしょうね」

 

    わたしには国語と歴史の講義でした・・なるほどぉ・・・・

 

       三番叟雪冷の床踏み鳴らし(長谷川櫂