大学学舎で後輩のハチヤ君と。
ハ「のりもさん旧暦の7月をなんて言うか、知ってます?」
私「ふみづきだろぅ?学部のころ悪友たちとよくそんな話していたよ」
ハ「そうですかぁ。だけどなんで文月かは、どうですか?」
私「ええっと、たしか短冊なんかに願いを書いて天にお願いするっていう、七夕との関係があるとか言ってたような・・・」
ハ「ははは、よく覚えてますねぇ。そんな説もありますよね」
私「ほかにもあるの?」
ハ「ええ。これも師匠の受売りなんですけどね。のりもさんの言ってるのは、文被月と書いてふみひろげづきと読むことから来ているとする説ですね。これは文(ふみ)を被(ひろげ)てさらすという意味で、本なんかを虫干しする時期にあたっていたことと、七夕伝説とむすびついて、短冊に願いの文字を書いておくということとつながったんだそうですよ」
私「へぇぇ~~~。ほかには?」
ハ「文月って旧暦だから、今でいう9月でしょ。だから、お米が実りはじめるんですよね。だから、『穂含み月』(ほふくみづき)や『含み月』から『ふづき』というようになった、と言う説です。この場合も、ふみづきとか、ふづきと言いやすくなるでしょ」
私「うん、どっちもいいなぁ・・・」
ハ「うちの師匠ってわりとロマンチストでね。その解説のとき、万葉集の
『天の川 安の渡りに舟浮けて 秋立つ待つと 妹に告げこそ』
っていううたを例に出すんですよね」
私「うん?その和歌どういう意味?」
ハ「ええ。牽牛が天の川で舟を浮かべて君(織り姫)を待っているよと伝えておくれっていってるんだって。その時期が七夕という旧暦での秋だよっていうのが、この歌でわかるだろぅっていうんです」
ははははは・・・・それもいいなぁ・・・
七夕の人無し小舟流れけり(正岡子規)