♬ いつか君と行った映画がまた来る
授業を抜け出して二人で出かけた・・・・
就職がきまって髪を切ってきたとき
もう若くないさと 君に言い訳したね・・・・♪
(『いちご白書をもう一度』歌:バンバン 作詞・作曲:荒井由実)
Yの部屋で。ラジオから、この曲が流れていた。
Y「うん?これ『いちご白書をもう一度』だろ?」
私「そうだよ」
Y「この曲って、俺たちよりちょっと上の団塊のための歌だったよな?」
私「ああ、このなかで歌われた『いちご白書』って映画が動機になってんだってな」
Y「しらべてみるかぁ・・・・ええっと・・・『いちご白書』・・・1968年のアメリカ学生運動をテーマにした映画で・・・ある大学教授のことばで、
『大学運営についての学生たちの意見は、学生たちがイチゴ味が好きだというのと同じくらい重要性を持たない』
って言ったことが、その揶揄を込めた意味とともに映画名になった・・・・か」
私「うん・・・それで、にっぽんじゃぁ70年代に学生運動で大学が荒れて、騒然としたんだろ。そのあと、団塊の世代が卒業して就職するとき、いままでの長い髪の毛を短く切って、青春が終わったってため息ついてんだろ」
Y「うん・・・イチゴ味かぁ・・・俺はまた、いちごって甘酸っぱいから、大学時代とその決別の感傷が、いちごの甘酸っぱさと重なる感覚をあらわした歌なのかと思ったよ・・・・」
・・・うん・・その方が たんじゅんでいいなぁ・・・
シネマ観るひとふしの過去鮮かに(藤木清子)