♬ 春は名のみの風の寒さや 谷の鶯歌はおもえど
時にあらずと声も立てず ~~~♪
(作詞:吉丸一昌 作曲:中田章)
3月のある日、Yの家の前でキャッチボールをしていた。
小一時間ほど遊んで、Yの部屋に。
私「うん、やっとあったかくなったなぁ」
Y「ああ、体を動かすと、血の循環がよくなるから、いいだろう。ちょっと汗ばんだ感じかなぁ」
私「うん、しかし『春は名のみの風の寒さや』だなぁ、3月って」
Y「え、菜の実?菜の花に実なんか成ったっけ?」
私「ちがうよ、歌の早春賦にある、『春は名のみの』って歌詞のあの『のみ』、英語のonlyだよ」
Y「ああ、あれかぁ。お前の発音が悪いから『菜の実』に聞こえたじゃないか」
私「何言ってんだよ。ほんとは、歌自体の歌詞を知らなかったんだろぅ?」
Y「そんなことはないさ。きのう、うちの晩御飯のおかずに、『菜の花の辛し和え』が出てさ、それですぐに菜の花を連想したんだよ」
私「おまえは、すぐに食べ物に結び付けるんだから」
Y「・・・・・・・・」
私「どうした、何とか言えよ」
Y「時にあらずと、声も立てず!!」
早春や風音移る西方の藪(日野草城)