♬・・・秋の風が吹いて 街はコスモス色
あなたからの便り 風に聞くの・・・・
冬が来る前に もう一度あのひとと めぐり逢いたい・・・
(『冬が来る前に』歌:かみふうせん 作詞:後藤悦治郎 作曲:浦野直)
昭和53年Yの部屋にて。
Yがラジオから流れる曲に合わせて歌っている。
私「やめろやめろ、お前には似合わない!」
Y「うるせえ。秋にふさわしいだろ、この歌。ちょっと人恋しい時にぴったりじゃないか。俺すきなんだよ」
私「ははは・・・。『一日三秋の思いにて待つ』かぁ」
Y「え?ちがうだろぅ。『一日千秋の思い』だろう。997足りねぇよ」
私「うん、中学のときはそう習ったよな。ところがさ、大学の悪友が中国古典を引っ張ってきてさ、『いちじつ さんしゅうの おもい』っていうのが、元だって言うんだよ。お前も、調べてみろよ」
Y「ほんとかよぉ・・・・ええっと・・・ああ『一日顔をあわさないだけで、三年もすぎたような気がする(一日不見如三秋兮)』という詩経の詩文に由来する・・・か・・・。ほんとだ。三秋って秋が三回だから3年になるわけかぁ」
私「な、ほんとだろ。おれも調べてみてなるほどなと思ったよ」
Y「そうだよなぁ。千年も経ったら生きてないもんなぁ・・・」
私「・・・・・」
三秋の終わらんと風草に鳴る(高木晴子)