昭和53年のこと。ハチヤ君と。
ハ「のりもさん、とうかんや、とうかんや」
私「え、なに?」
ハ「十日夜ですよ。前に十五夜、十三夜の話しをしたときに言ったじゃないですか」
私「ああ・・・十五夜と十三夜の二夜の月を見ないと片見月になって、縁起が悪いっていってたけど・・・・とうかんやって、関係あるの?」
ハ「直接の関係はないんですよね。旧暦の10月10日に行われる収穫祭をいうんですよ。まぁ、この日も田の神に餅やぼた餅がそなえられることが多くて、月も出ることが多いでしょうから、十五夜や十三夜と同じような風景になるでしょ」
私「なるほど・・・いわば庶民のための月見かぁ・・・貴族が縁側にすわって、『よい月じゃぁ』なんて言ってないよなぁ・・・」
ハ「この夜をば我が夜とぞおもふ望月の 欠けたることの ちょっと残念!!!」
私「・・・(なんじゃそれ)・・・・」
サイダーのうすきかをりや秋の夜(日野草城)