norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

 『おみゃーさん、何いっとるんだわぁ。こりゃぁ、えれえこったで・・・・』

 昭和55年Yの家で、テレビを見ている。

 

Y「おい、これフランキー堺だろ。おもしろいドラマだなぁ」

 

私「ああ、刑事ものドラマというか、法廷裁判を中心にした事件ドラマなんだろうな。新しいジャンルのドラマじゃないか?原作者は本当の弁護士さんだって言うぜ」

 

Y「へぇぇ~~~そうかぁ・・・」

 

 番組が終わって、主人公の話しになった。

Y「いやぁ、あんな詳しい裁判場面なんかがドラマになるなんて思ってもみなかったぜ。それにフランキー堺のとぼけた演技はよかったなぁ・・・」

 

私「うん、はじめは違和感があったけどなぁ。検事なんていうコチコチだと思える仕事をする人間を、彼に配役したのは、ある意味、大正解だよな。うちのおふくろなんて、毎回、きゃきゃいいながら見てるぜ」

 

Y「ええっと・・・『赤かぶ検事奮戦記』かぁ・・・主人公名が『ひいらぎ しげる』っていうのがいいよなぁ」

私「え?なんで?」

 

Y「柊って、冬の花なんだよな。ほら、うちの庭にいま白い花が咲いてんだろ。あれだよ。立冬くらいから咲き始めるんだよ」

 

私「うん?それで?」

 

Y「だからさぁ。検事の仕事って、『秋霜烈日』って言うんだろ。その秋の霜のように厳しいなかでも花を咲かせる柊じゃないかよ。それも茂ってるなんて」

 

私「ぁぁぁ・・・そうかぁ・・・」

 

       柊の花から白くこぼれ落つ(中村草田男