norimoyoshiakiの日記

昭和40年の後半からの学生生活と、その後のことを日記にしています。ご意見をお待ちしています。

蕎麦の花

暑い夏がようやく収まってきた9月のこと。

地下食堂で、学生同士で話をしている。

 

A「おう、帰って来たか?田舎はどうだった?」

B「ああ、のんびりしたよ。しかし、帰るときにおふくろが、あれもってけ、これもってけ、○○しろとかうるさくてさぁ・・・」

それを横で聞いていた先輩院生であろうひとが・・・ひとこと、

 

C「なぁ、蕎麦の花ってお前とこらへんじゃ咲くか?」と尋ねる。

 

B「え?ああ・・・蕎麦だったら近くの畑でいっぱい種をまいてますから、今の時期から白い花がイッパイ咲いてますよ?」

 

C「その蕎麦の花をうたった現代詩でさ、『子にうすれゆく方言よ蕎麦の花』(神原教江)ってのがあるんだよ。これどう解釈する?」

B「え、蕎麦の花は夏に咲く白い花だから・・・」

 

A「いやぁ、秋に咲くんだろ、だから地方で蕎麦の花が咲きだしたら、こどもも夏を越して大きくなったってことを言いたいんじゃないのか?」

 

C「違うと思うぜ。蕎麦の花が咲き誇るのは、夏が過ぎて9月ころだろ。大学生の子供が夏休みに帰省してるんだよ。そのときの、こどもの話しぶりが、子供の頃に話していた方言まじりの様子とちがって都会風になってんだよな。そこから、8月の夏休みがおわって、都会へこどもが帰ってゆく・・・そのときのおんな親の気持ちがここに出てるんだろぅよ・・・どう思う?」

 

A・B「・・・・・・・」

 

      蕎麦白き花野をゆけば花野哉(凡兆)