9月6日の昼。
地下食堂でハチヤ君と昼ごはんを終えて、カップコーヒーを飲んでいた。
ハ「のりもさん、甘いの好きですよねぇ」
私「うん、昼ごはんのあとは、ミルクと砂糖たっぷりのコーヒーっておいしいんだよね」
ハ「それで思い出したんですが、今日が『飴の日』だってこと、知ってました?」
私「え、そうなの。知らない」
ハ「これは、神武天皇が奈良の宇陀川で神意を占うために、飴を作ったっていう故事から来てるんですよ」
私「え・・・なんで神意を占うの?」
ハ「日本書紀の『神武天皇』編に記述があるんですけどね、神武天皇って日本初のスメラミコじゃないですか。大和を平定するときに、あちこちの敵をやっつけるのに、神様のご加護を受けたり、その宣託を知るために、神事は欠かせないんですよ」
私「なるほど神事ねぇ・・・しかし、飴作りも神事になるんだねぇ・・・はじめて作ったのが、天皇とは・・・まぁ・・畏れおおいというか・・・おもしろいというか・・・そんなことまで書紀に書かれてるなんてねぇ。それでも、そんなことをよく知ってたねぇ」
ハ「これも、師匠の受け売りです」
私「だろうね・・・」
ハ「もう・・・だけど、聞いたあと、自分で書紀を読んで調べたんですよ」
私「で、新しい発見はあったの?」
ハ「それがね、神武天皇がつくったっていう飴はいわゆる『水あめ』で、これだと、穀類つまり米や麦で作るんですよね。それで、書紀によると、水なしで飴をつくるっていう記述があって・・・・そうしたときに、飴っていうのはデンプンが・・・そうした中で、1日や2日であまくなるわけじゃないんで・・・作りかけてから何日間その場所に居たのかとか・・・・飴をつくる甕なんかが・・・その地方の特産品としてとか・・・・」
さいごにはハチヤ君の文化論独壇場となりました。
お~~~い、お昼がおわるよぉ・・・
のど飴のくつつき合ひて秋暑し(中村和子)